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 第三十二話 卒業 

残り僅かな中学生時代。
特に恋人らしい付き合いをすることもなく、淡々と過ぎて行った。

彼女の進学先も決まった。
公立の農業高校だった。

学校が違うこと。学校のタイプが違うこと。
イマイチわかっていなかった。

卒業式の日。
私は非常に清々しかった。開放された気分を味わっていた。

学校の帰り、彼女と一緒に帰ることはなかった。
互いに友達と帰ったからだ。

高校に入ってからお互いどうするかとか深く考えず、何とかなるんじゃないかとか思っていた。

互いの気持ちを伝えるのが遅すぎたとは、このとき気付かなかった。


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2010/09/19 | 23:19
或る男の物語コメント:1

 第三十一話 僅かな時間 

【まとめて読む方はこちら】

アニマに返事をしてから、二人の関係は進展したかと言うと、実は何も変わらなかった。

受験勉強真っ只中。
彼女にはそんな余裕はなかったはず。
つらい時期に、少しでも彼女の心の支えになればよかったんですが。

もう一つ、私は私の答えがどっちであれ、関係を気にしてしまうのは嫌だった。
今までどおりで、普段どおりでいたい。
それで関係が良くないというか、面倒臭い形になるのは、「もったいない」と思っていた。
上手くいえないが、なんかそんな感じ。

だから自分から何か変えるつもりはなかった。

馬鹿かもしれないが、どうであれ受験中は変えようがない。


そのためか、どうも付き合っているという実感がなかった。

そして、一緒に過ごせるのは、あと1ヶ月ほどという事実も立ちふさがる。

私は既に学校を決めているが、彼女はまだ決まっていない。
間違いなく、別の学校になる。


私は、この時間が一番大切なのだと気付いていなかった。

2008/10/21 | 12:21
或る男の物語コメント:0

 第三十話 路上の告白 

【まとめて読む方はこちら】

いつもの帰り道。傍らにはメシアとアニマ。

私はこの日、アニマに返事をしようと思っていた。

アニマの家の近くに来たとき、彼女たちに声をかけた。

「アニマに話したいことがある」

努めて明るく、かつ平常を装って言ったつもりだった。

自分にけじめをつけるため、メシアにも頼んだ。

「メシアにも聞いて欲しい」

彼女は興味がなかったのか、私が何を言うのか察したのか、そのどちらでもない理由だったのかわからない。
何にせよ、彼女はその場を去っていった。

アニマと私が残った。

覚悟を決めた。
アニマに告げる。

「手紙の返事やけど」

アニマは静かに聞いている。
受験が終わってから返事してと言ったのに、今なんで言うのだろうと思っていたのかも知れない。

「いいよ」

付き合おうなんて、積極的な言葉は気恥ずかしくて言えなかった。
でも、アニマには伝わったと思う。

その後、どんなことを言ったのか、よく覚えていない。
そんなに会話はしてなかった。
伝えるだけ伝えて、別れた。

ただ、彼女は嬉しそうな笑顔をしていた。

2008/09/24 | 22:36
或る男の物語コメント:0

 第二十九話 諦めない 

【まとめて読む方はこちら】

アニマに呼び出され、メシアのことが好きだと伝えてから、暫くたった。

ある日、アニマからCDと手紙を渡された。
CDは彼女の友達に貸していたもので、そこからアニマに渡ったものだった。
返してくれよと頼んでもなかなか返してくれなかった。

それが手紙とともに渡された。


手紙には、CDを返すのが遅れたことを謝る事がかかれていた。

そして。

私が「メシアのことが好き」と言ったあとも、彼女は私のことが好きだった。だから、よかったら付き合って欲しいと書かれていた。

彼女は諦めていなかった。

誰にも負けないくらい私のことが好きだとまで。


普通の人はどう感じるのだろうか。

アニマのことは、気にもかけていない存在ではなかった。
私の初恋の相手。そのときも好きな気持ちはあった。

そんな女の子から、断っても、他の子が好きだと言っても、自分のことが好きだと言ってくれる。
私の心は大きく揺れ動いた。



数日後、学校の帰り道、いつものように私はアニマとメシアと帰っていた。
アニマは手紙で返事をしてほしいと書いてあった。
しかし、私は彼女に直接返事を伝えようと思っていた。
そして彼女を呼び止めた。

2007/11/24 | 23:19
或る男の物語コメント:0

 第二十八話 呼び出し 

【まとめて読む方はこちら】

休みの日に自宅にいると、電話がかかってきた。

アニマの友達からだった。

「今ちょっと出られる?」

特に用事もなかったので呼び出しに応じることに。

普段彼女たちと学校の外で会うことなんてないし、呼び出されるのも初めてだったのでちょっと変だと思った。
何の用かを電話口で聞いても教えてくれなかった。

呼び出された場所に行って見ると、電話で話した友達以外にも何人かいた。
その中、一番後ろに立っていたのは、暗い表情のアニマだった。
他のみんなも表情は険しかった。

どうやら仲良く遊ぼうという雰囲気ではなさそうだった。
だいたい何を言われるのかは想像できた。
彼女のことをみんな知っているらしい。それも当然だろう。


「どうしてあかんの?」

アニマに答えたときは理由を告げていなかった。
上手くいえないから黙っていたけど、よくなかったのかもしれない。

メシアのことが好きだから。
それだけを伝えた。
もしもその場にメシアがいればいえなかったかもしれない。
そのときの私は、そこにメシアがいなかった理由を考えなかった。
居なくてよかったとしか思えないほど、切羽詰っていた。


彼女たちと話している間、アニマを見ると泣いていた。
友達に慰められながら、俯いて泣いていた。


結局、彼女たちに理由を告げただけで、私は帰った。

2007/07/31 | 23:24
或る男の物語コメント:0

 
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