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 第二十七話 髪 

【まとめて読む方はこちら】

アニマとは、結果がどうであれ、今までどおりに振舞うという約束があった。
だから、次の日からも今までどおりに接して、彼女も今までどおりの笑顔で接してくれた。

笑顔を見ると、少し心が痛んだ。


この罪悪感みたいなものは、きっと彼女のことが好きなのに断ったからだと思う。

彼女にも思わせぶりな態度を取っていたからだと思う。



何日かたって彼女と会ったとき、思わず声をあげた。
彼女に「どしたん?」と聞かれたが、何でもないと答えた。

彼女の髪が短くなっていた。
ずっと長い髪だったのに、とても短くなっていた。

私は「髪、切ってんな」と口にしかけたが、慌てて何でもないと言えた。
とっさに「女の子は失恋のあと、髪を切る」という噂が頭のなかをよぎったからだ。

私がふったことがそれほどまでにショックを与えたのか。
いや、私程度のことでそんなことをするはずがない、偶然だ。
色々と考えたが、結局、彼女の髪に触れる勇気はなかった。



そして、数日後、思わぬ展開になった。

彼女の友達に呼び出された。

2007/07/30 | 22:52
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 第二十六話 返事 

【まとめて読む方はこちら】

答えを出すのに時間は与えられていた。
彼女の公立入試が終わるまでは、返事しないで欲しいということだった。
考えた。自分の気持ちを考えた。

そして、彼女に返事をした。



ごめん、と。



彼女は黙っていた。
涙もなかった。

2007/07/28 | 23:04
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 第二十五話 岐路 

【まとめて読む方はこちら】

 女の子から告白されて悩むなんて自分にはないと思っていた。

 二人を好きになってしまったツケがきた。そんなことを感じていた。
 やっぱりいけないことだった。

 アニマのことは好きだ。
 私の初恋の相手。男なら誰しも初恋の人を永く想っている。

 向こうも同じようにずっと好きでいてくれた。
 お互いわかってはいた。口にださないけど、関係はただの友達でも幸せだった。

 しかし、卒業後、互いの進路が違うことが決まってしまった。
 「ただの友達」では、もう会わなくなってしまうだろう。
 それが彼女に決意させた。
 友達を卒業しようと。

 小学生の頃、メシアが私に告白した(させられた?)前だったら、私は迷わなかった。

 今、私の心にはメシアがいた。
 アニマの告白を受け入れても、メシアへの想いを選んでも、私は自分の心に正直であり、ウソをつくことになる。

 どちらの道を選ぶのか。
 私は岐路に立たされていた。

wakaremiti


2007/07/09 | 23:35
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 第二十四話 秘めた想い 

【まとめて読む方はこちら】

 高校入試。
 中学生でいられるのも、あと2ヶ月ほど。
 それは、今の友達と毎日一緒にいれるのが最後だということ。

 私とアニマとメシア。
 3人の受ける学校は別々だった。

 私は私学の進学校。
 メシアは近所の公立校。
 アニマはちょっと遠い公立校。

 私はメシアの受ける学校に行きたいとも考えていた。
 しかし、それは親が許さなかった。

 私は学年でも一番早い受験となった。
 このとき、試験日はバラバラで、私の受けた学校は2月1日に試験があった。
 一緒に受けたのは5人。私以外はみんな難しいコースを併願だった。
 私だけ簡単なほうを専願。

 そして、発表が3日。
 私を含め、5人が合格。
 そして、専願だった私は学年で唯一受験が終わった人間となった。

 それからは合格校から出された課題をこなす日々。
 淡々と過ごしているうちに、14日がやってきた。

 そう、2月14日。バレンタインデーだ。
 メシアからは小学6年生のときに一回もらっただけだったが、中学2年の頃からメシアのグループのメンバーから義理はもらっていた。
 その中にはアニマもいた。

 アニマからはチョコとクッキー。
 はっきりとはきいてないが、クッキーは手作りっぽかった。

 内心、今年ももらえるかもしれないなどと考えてはいた。
 しかし、学校で彼女は何も声をかけてこなかった。
 受験を目前にしているんだから、そんなことに気をかけてられないのは当然だから、私もそういうもんだろうと思って諦めていた。


 その晩、一本の電話がかかってきた。
 アニマからだった。

 「お願いがあるんやけど。・・・8時くらいに家の門のところに出てきて」

 何か思いつめたような、搾り出すような声だった。
 日が日である。バレンタインチョコをくれるのだとは予想がついた。
 しかし、学校で渡さないで今、こういう風にして渡そうというのだから、意味のあるものだと感じた。


 8時。
 彼女がやってきた。

 「はい、これ」

 「ありがとう」 (それだけ・・・?)

 「・・・中に手紙が入ってるから、あとで読んで」

 「 !! ・・・わかった」 (やっぱりそうだったんだ)

 彼女は帰って行った。

 部屋に戻って袋を開けてみると、チョコと、去年と同じクッキー。
 そして、手紙。

 とても短い手紙だった。

 「ずっと前から好きだった。付き合って欲しい。」

 そんな意味のことが書かれてあった。


 ああ、やっぱりそうだったんだ。
 ずっと前から好きでいてくれたんだ。
 驚きよりも納得だった。


 お互い、今の楽しくバカなことを言い合える関係が壊れるのが嫌だった。
 たぶん、彼女も俺と同じことを考えて感じていたんだろう。
 きっと向こうも自分のことを好きなんじゃないかって。
 でも怖かった。

 しかし、進路が違う二人。
 もう会えなくなるかもしれない。
 私たちが出会ったのは、小学5年の頃。
 私はハッキリと出会いを覚えていなかった。
 あるとき会話の中で、いつ頃出会ったっけという話になったとき、彼女がきっぱりと迷いなく小学5年と断言した。その目には強い心が宿っていたように感じた。
 きっと、その頃から慕ってくれていたんだろう。

 勇気を出したのはアニマだった。
 彼女は最後に気持ちを伝えてくれた。



 それなのに、私は素直に喜んではいなかった。
 喜べない自分がいた。

2007/05/20 | 23:59
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 第二十三話 ろくでもない男 

【まとめて読む方はこちら】

 あの勉強会のときから、考えていた。
 もし、誰を好きなのか言わなきゃならなくなったとき、答えることができただろうか。
 私はアニマとメシア、どちらのことが好きなんだろう。

 今は、二人といると、楽しい。
 他の女子からの視線がつらくても、二人といれば、心が晴れた。
 とても楽しかった。

 私は、二人のことが好きだった。
 同時に、二人の女子を好きになっていた。

 いいかげんな話だ。
 自分は何て自分勝手なんだろう。
 二人の女の子が好きだなんて、子どもながらにいいわけないと感じていた。

 それでも、幸せな気持ちはあるわけで。
 中学3年という、受験勉強でストレスの多い中、私は彼女たちのお陰で結構楽しくすごしていった。



 そして、高校入試の季節がやってきた。

2007/05/19 | 22:28
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